空き家について
現在では核家族化がすすみ、人口の減少に反して世帯数は増加傾向にあり、誰も住んでいない空き家が年々増えて問題になっています。
平成25年度の住宅・土地統計調査では全国の空き家が820万戸ほどあるそうで、統計をが更新されるたびに増えていってます。
なお現在の空き家を取得した経緯は約56%が相続による取得だそうです。
人が亡くなるとその人の財産は相続人(配偶者や子供など)に引き継がれるわけですが、持ち家も相続の対象となる財産に含まれます。
今は核家族化が進んでいるので親世帯と別居で別に家があるというのが普通なので、当然その家の世帯主が亡くなれば誰も住む人がいなくなってしまうわけです。
相続人の方の住居が賃貸であればそのまま住むという選択肢がありますが、日本人の50歳以上の持ち家率は74%以上と言われていてこの記事をご覧になっている方でもすでに持ち家にお住まいの方も多いかと思います。
倉庫とし使ったりなどの他の用途での使い道があればいいですが、大体の人は持ち余らせてしまうと思います。
じゃあ売却すれば済む話では?と思いますが、現実には遺産分割で揉めていたり、買い手がつかないなどでスムーズにいかないこともあるようです。
他に空き家が減らない原因としては
「賃貸しようにも借り手がつかない」
「解体したくても解体費が工面できない」
「解体して更地になると固定資産税があがるので勿体ない」
などの理由があるようです。
平成27年に「空き家対策特別措置法」が施行され、全国の空き家に本格的な対策が講じられました。
この法律で指す「空き家」とは「概ね年間を通して建築物等の使用実績がないこと」と定義され言い換えれば1年間ほったらかしにしていたら空き家ですよということになります。
さらに長年適切な管理がされず倒壊の危険、衛生上有害、景観を著しく損なうなどの状態になってしまうと「特定空き家」に指定されてしまいます。
この状態になると行政から指導や勧告がされ、それを無視して年をまたいでしまうと住宅用地特例の対象から外されてしまい固定資産税が高くなってしまいます。
住宅用地特例とは住宅やアパート等の敷地で200平方メートル以下の部分では価格×1/6、住宅やアパート等の敷地で200平方メートルを超える部分では価格×1/3になる減税措置のことです。
これらが一切適用されないとかなりの負担になることは間違いありません。
また最終的には行政が強制撤去など実力行使が可能となり、撤去にかかった費用などは所有者が負担することとなります。
中には所有者が分からない正体不明の土地や建物も存在しており、深刻な問題になっています。
このように相続という偶発的要因で家を取得して、本来であれば残された家族の助けになる財産が負担になってしまうケースもあります。
空き家の問題が顕在化している今日では、経済的な負担等も考慮すると「有効活用」か「売却」する方法が一番合理的ではないでしょうか。