補助金とは、国(経済産業省)や自治体などが、何らかの政策目的達成のために税金を使って 中小企業や企業予定の方を支援する制度です。
融資とは違い原則的に返済する必要がないお金ではありますが、補助を受けるには自社で行おうとする事業がその助成金の使い道の趣旨に合う事業である必要があります。
また助成金は、申請した事業の成果に対して支援を行うものなので、融資とは違い実際にお金が交付されるのは採択から何か月も後になるものです。
このページは初めて補助金申請を検討されている方向けです。
コンテンツ
補助金と融資の違いは?
補助金と融資金はどちらも事業のために使われるお金という点においては同じです。
最大の違いは 返済義務があるかないかというところにあります。
融資はいわば事業用に他所からお金を借りるわけですから当然返済の義務があります。
融資申請の際には、どのような事業を行うかの具体的な収益の見込みを説明した事業計画を作り、それに準じた返済計画を策定する必要があります。
もちろん貸す側も、どの程度確実に返済されるかという点は審査において大きなポイントとなります。
補助金は計画した事業にかかった経費の一部を補助するための給付金の為、原則的にそのお金には返済義務はありません。 ※実際には補助事業がある程度の利益を生んだ場合には償還する義務が発生します。
また融資は借りたお金を事業経費に充てるのに対し、補助金は支出した事業経費に対して補助が下りる点も注意する必要があります。
融資
▶お金を借りる⇒事業実行(支出)
補助金
▶事業実行(支出)⇒助成金給付
すなわち融資はお金を借りる⇒事業実行という順番に対し、補助金は事業実行⇒助成金給付という流れになり、実際に補助金が給付されるための事業資金は自身で賄う必要があるということです。
補助金の基礎知識
まず知って頂きたいのは補助金には補助期間という期間が設定されており、その間に発生した経費を補助するものとなります。
多くは採択後に設定されており、過去に支出した経費が対象となることはありません。
また助成対象期間は申請期間より1~3か月ほど後に設定されているため、補助金の対象経費として設備を導入したい場合にご自身の事業計画と導入時期には注意が必要です。
また多少の例外はありますが 契約→支払い→導入のすべての工程を 補助期間内に行わなければいけません。
例として契約が期間外に行われた経費はたとえ支払いが補助期間内に行われたとしても補助対象外となってしまいます。
なお分割支払いの最後の支払いが補助期間を超えてしまっても対象外です。
補助金は重複して受給できる?
様々な種類の補助金が存在し、その目的により対象となる経費は様々です。
よくご質問を受ける内容で補助金の重複受給は可能か?というものがあります。
結論から言うと原則受給できません、しかし下記の条件に当てはまるものであれば例外的に受給が可能となります。
①厚生労働省管轄の助成金との重複
厚生労働省の助成金は人の雇用や福祉に関したものが多い為、事業経費が対象となる補助金のへ申請は可能です。
ただし対象経費として申請できるものは、 他の補助金の対象経費と明確に区分できるものに関してです。
例えば新しく人を雇うための人件費を対象経費として申請する場合、同一人物の人件費は重複して申請できませんが、 違う目的で別の人物の人件費であれば申請できます。
ただし応募要項で重複が認められていないものもあるので注意が必要です。
②補助金の趣旨が異なる事業に全く別の事業での応募。
事業の内容が全く別の事業であり、 事業経費が明確に区分できるものであれば申請が可能な場合があります。
例えば新商品Aの開発事業と新商品Bの開発事業がそれぞれ該当する補助金へ申請できることとなります。こちらも要綱で重複禁止事項がある場合は受給は不可能です。
全く別の事業に関しての判断は事務局側が行うこととなり、 全く別の製品開発でもテーマなどが似通っていると同一事業と判定されることもありますので注意が必要です。
また併給が不可能な補助金でも 申請自体は可能です。仮に両方の補助金が採択された場合はどちらか一方を辞退することになります。
補助金は用途に応じて色々ある!
補助金は様々な事業が年間を通して行われており、その対象となる経費も様々です。
また補助金は実際に支払われた経費に対する補助となりますが、申請の段階では支出はおろか契約もしていない状態で申請を行います。
そこでいつ、どのくらいの額の経費を支出するかの計画を提出するわけですが、将来の計画となるのでその経費額が代わってくる可能性があります。
実際に受給できる補助金の交付金額は、申請後に通知される受給決定額と事業完了後に行われる確定検査で決定します。
- 申請に基づき決定される交付額です。
- この金額は実際に交付される金額の上限額となり、仮に事業経費が計画より多くかかった場合でも金額が変動することがありません。
- 仮に実際にかかった経費が申請額より少ない場合はその補助金の補助率に従って減額されます。
すべての対象経費の支払いが完了した後、帳簿や支払い明細等の証拠資料と照らし合わせて問題が無いと認められた経費が実際の交付金額として確定します。
実際に交付される金額は、受給決定額以内で且つ事務局が要求する証拠書類が提出できる経費となります。
経費と認められない場合はその分だけ交付額が減額されることとなります。
申請書は要点を簡潔にわかりやすく
補助金に申請には申請書の様式が決まっています。
記載事項をしっかりと記入していくことはもちろんですが、提出先の事務局では何千件という膨大な量の申請書を審査をしているため、簡潔で伝わりやすい事業計画を作ることが重要になります。
事業計画を記載する際には自社のサービスや製品を「誰に」「何を」「どうやって」届けるかを明確にしていくことが大切です。
その基本を踏まえたうえで、既存のビジネスにはない画期的なアイデアは高い評価を得られます。
統計などの数字の資料を根拠として説明をすることで見ている側に説得力を持たす効果が期待できます。
この根幹となる 基本部分をおろそかにしてしまうと結果的に何を主張したいかがよくわからない計画書になりがちです。
前項の内容を意識しつつ下記の原則を繰り返しブラッシュアップすることでより信用性の高い計画が立案できます。
どんなに素晴らしい事業スキームでも相手にその魅力が伝わらなくては意味がありません。
採択されてからすることは?
さて、先述したように補助金は実施した事業に対してかかった費用の一部を負担するものとなります。
その給付額は採択時の交付額を限度とした実際に支出した費用から算出されます。
実際に費用を支出しているか、不正がないかを「確定検査」で調べますが、その際の証拠書類や報告書の提出などが必要です。
求められる証拠書類は申請事業によっても変わってきますが事業経費をしっかりと支出している証拠として「見積書」「請求書」「領収書」「通帳の写し」などが必要となってきますので事前にどのような書類が必要かをしっかりと確認することが必要です。
また補助期間終了後も数年にわたり実績報告を行う事業もあり、決められた時期に報告をしなければならない事業もあり、申請事業に関わる帳簿類はしっかりとした管理が必要です。
最後に
補助金とはどのようなものなのか簡単に説明しましたが、日本全国で実施している助成事業は市区町村のものを含めると膨大な数が実施されています。
申請の折には公募要領をよく熟読し、申請不備がないように提出書類をしっかり準備することが大切です。
また私の経験上、 実施しする事業計画が応募する助成事業の趣旨にしっかりと当てはまっているかどうかも採択の合否を分ける重要なポイントのように感じます。
基本的にはどの補助金も応募要件に当てはまる事業者なら無料で申請ができるものなので、一度ご自身の事業に利用できる補助事業がないか調べて応募してみることも、自身の事業スキームを見直すきっかけとなるいい経験かと思います。
私どもでは無料にて利用できる補助事業の調査やご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。